今の時代でもSM58をセレクトする理由 – SHUREの超定番ダイナミックマイク

SM58 - 50周年モデル ワイド画像
定番のSHURE(シュア)のダイナミックマイク「SM58」は自宅でのボーカル録音用のマイクとしてオススメなマイクとして紹介され続けています。

近年ではオーディオインターフェイスを介さずに手軽にボーカル録音をすることのできるUSBマイクも人気が出ていますが、それでも「SM58」をセレクトする人も少なくはありません。

今までも「SM58」のことはイロイロなところで書いてきましたが、2016年に50周年を迎えた「SM58」について再度まとめの意味も込めて「今の時代でもSM58を選ぶ理由」などを書きたいと思います。

選ばれ続けるボーカル録音用マイク「SM58」

中高域が強調された頑丈なダイナミックマイク

SM58-LCEボーカル用に最適に調整されている「SM58」は中高域が強調されていて、抜けが良いサウンドが特徴のプロ仕様の単一指向性(カーディオイド)ダイナミックマイクです。

コンデンサーマイクは湿気や振動に弱く、録音時の吹かれなどにも注意しなくてはいけませんが、耐久性の高いダイナミックマイクなので取扱いも気にすることなく使用することができます。

今では「低価格スタジオマイクの定番」でも紹介している通り、コンデンサーマイクも1万円台という低価格でも良い製品が増えましたが、「高音質で取扱いが楽」というのも、自宅でのはじめてのボーカル録音用のマイクとして「SM58」がオススメされる大きな理由です。

所有している複数のコンデンサーマイクと比べると、かなり雑に使っているというより、ほぼノーメンテナンスですが、わたしの10年以上前に購入した「SM58」は故障することもなく現役で使用することができています。

また、プロのレコーディング現場で「SM58」が使われないかと言ったらそんなことはなく、曲調やボーカルのタイプによっては「SM58」が最もフィットするという場合もあります。

しかし当然といえば当然ですが、数十万円もする高級マイクが多数あるプロのスタジオのなかでの「SM58」の選択になりますので、クライアントが良い顔をしません。

SM58のラインナップ

SM58 - 50周年モデル本当に長期間、定番のダイナミックマイクですので、宅録マイクに迷ったら「SM58」を購入するという方も非常に多いと思いますが、ラインナップには「SM58-LCE」と「SM58SE」などがあります。

違いは「SM58-LCE」はスイッチがなく「SM58SE」はスイッチが付いています。音の違いはなく、耐久性で問題視されたことは記憶にありませんので、スイッチがあってもなくても問題はありません。

50th Anniversaryの印字入りの「SM58 – 50周年モデル」は記念証書、写真、クラシックスタイルのユーザーガイド、記念ステッカーを同封しています。

50周年モデルは音が違うのか?という疑問を持つ人もいると思いますが、外観以外は現行の「SM58-LCE」と技術的な仕様はまったく同じです。

> 『SM58 ラインナップ』の詳細&最安値情報

SM58+X2u

SM58+X2u「SM58+X2u」というバンドル製品が出ていますが、「X2u」はオーディオ・インターフェースなどのハードウェアを追加することなしに、マイクを簡単にPCに直接接続することができるSHUREのUSBシグナルアダプターです。

16ビット/48kHzまでのサンプルレートに対応する「X2u」にはマイクロホン・ゲインコントロールと統合されたプリアンプも装備していますので、シグナルの強度も調整することができ、内蔵ヘッドホンジャックもありますのでサウンドのモニターもできます。

後にコンデンサーマイクを使用する予定があるという人でも+48Vファントム電源を搭載していますので、マイクを変えても「X2u」は使用することができます。

> 『SM58+X2u』の詳細情報

DAWでの「SM58」活用方法ワンポイント・アドバイス

Mic Room ソースマイクダイナミックマイクはマイクとの距離であったり角度によって音質の変化がありますので、安定したボーカル録音をするには、この事は必ず知っておく必要があります。

また「SM58」は定番マイクなので、ほとんどのマイクシミュレータでソースマイクとして登録されています。

Mic Roomの特徴と活用法」でも紹介したIK Multimediaのマイクシミュレーター「Mic Room」にも「SM58」のプロファイルがあります。

高額な業界定番のNeumann(ノイマン)のコンデンサーマイク「U87」や「U67」のようなスタジオマイクで収録したかのような音に変えることができる「Mic Room」のようなマイクシミュレーターは、やはり活用してゆくべきです。

SM58以外のマイクを選び失敗した人もいる

楽器店で「SM58を検討しているのですが」と相談したところ、他のダイナミックマイクをススメられたという人が結構いるかもしれません。

というのも、実際にそういう人がいて別のマイクを購入して大失敗した人を知っています。

その人はボーカルがこもっていたのでマイクの買い替えを検討していて「SM58」を購入しようと楽器店に行きました。

しかし楽器店には「SM58」よりも安いマイクもたくさん飾られていますので、「SM58」で良いのか迷いました。

そこで「SM58を検討しているのですが」と店員さんに相談したところ、数千円安いマイクをススメられ購入してしまいました・・・

たぶん「今のマイクの抜けの悪さ」を説明すると同時に「お金がないから」とかなり値切ったのだと思いますが、購入したマイクは「本当にボーカル用のマイクですか?」というマイクです。

そのマイクで録音された音源を聴かせてもらったところ、とんでもなく「キンキン声」になっていて、すでにDAWソフトで編集できるレベルではありませんでした。

数千円の出費を抑えようとしたために「抜けが良いというよりも、高域が強調されただけの使い物にならないマイク」を購入してしまいました。

今の時代でもSM58を選ぶ理由

SM58SEこれはマイクに限ったことではなくヘッドホンなどでもそうなのですが、「定番」と呼ばれ認知されるには相当数のユーザーが必要になります。

定番として「SM58」が認知されているのは、プロフェッショナルが使用して認めた実績、世界中に多くのユーザーがいるなど、しっかりとした理由があるからです。

もしかすると「SM58」よりも優れている同価格帯のダイナミックマイクがあるのかもしれませんが「SM58」を使ったことがない人にそれを判断するのは無理ですし、選ぶ際は冒険が必要となってきます。

そう言った点も含めるとマイクシミュレーターでもプロファイルが用意されている「SM58」なら高い精度で使えますので、ファーストマイクとして最適な今の時代でもSM58を選ぶ理由となります。

安価なダイナミックマイクを選ぶのであれば使えるボーカルトラックを録音することができる「SM58」をオススメします。

1万円越えるマイクなので、安くはないと感じる人がいると思いますが、音質、ブランド力、評価の高さ、耐久性などを考慮したときに間違いなく安いマイクです。

外観のデザイン性が優れているだけの変なマイクを購入して失敗しないようにして下さい。

尚、「SM58」をはじめとする定番のスタジオマイクは以下の「おすすめスタジオマイク」で一覧にして紹介していますので興味のある人はチェックして下さい。

> おすすめスタジオマイク 一覧

コメント

タイトルとURLをコピーしました