10周年を迎えた初音ミクの功績とさらなる進化
ヤマハのiPhone/iPad用アプリ「Mobile VOCALOID Editor」のオプションライブラリに「初音ミク」が2017年08月31日に追加されました。
多分、「初音ミク 10周年」に合わせてリリースされたものだと思いますが、VOCALOIDの代名詞的存在である初音ミクの歌声をやっとiPhone/iPadでも使用することができます。
Mobile VOCALOID Editor
ボーカルトラックを制作することができるのがヤマハの歌声合成技術「VOCALOID(ボーカロイド)」です。
そのiPhone/iPad版が「Mobile VOCALOID Editor」で、PCがなくてもボーカルパートを制作することができるのが大きな特徴で、女性歌声ライブラリ「VY1_Lite」を同梱しています。
個人的には画面の小さいiPhoneだと少し作業が厳しいですが、iPadなら快適にボーカルトラックを制作することができます。
初音ミクの10年間と功績
さて、本来ならば「Mobile VOCALOID Editor」の説明をもう少しするところですが、「VOCALOID Editor」は「VOCALOIDエディター | おすすめDTMボーカル音源の比較」あたりでも紹介していて、取扱いが難しいわけではないので、ここでは「初音ミク 10周年と功績」について書いてゆこうと思います。
もう10周年かという表現が相応しいのかどうかわかりませんが、音楽制作に新たな風を送り込んだのがVOCALOIDであり、その代名詞的存在である初音ミクです。
歌モノの楽曲はボーカルが入っていないとスタートラインにすら立つことができず、評価してもらうことが難しいのは言うまでもありません。
そんななか登場したのがヤマハのVOCALOIDで多くのユーザーから期待を集めましたが、発売当時のクオリティーだと、リアルボーカルの代わりにはなりませんでした。
当時の楽曲コンペなどに参加していた人はわかると思いますが、「ボーカロイドNG」という注意書きが記載されている案件も当然のようにありました。(基本的には暗黙の了解でボーカロイドNGでした。)
このままだと大きな発展もなく終わるのかな?という感じもしましたが、初音ミクのDTMの世界では空前の大ヒットによりボーカロイドは音楽文化として根付きました。
今ではVOCALOIDの技術もバージョンを重ねるごとに数段に上がり、多くの歌声ライブラリも登場していますが、初音ミクの大ヒットがなければ、ここまでは進化しなかったと思います。
今では、中途半端な録音環境と、ピッチ補正前提でのボーカル力のボーカリストに歌をお願いするよりも「VOCALOIDのほうが良い」という人も増えています。
ボーカロイドを上手に歌わせる技術や、ボーカルのエフェクト処理の知識や技術も重要になりますが、仮歌段階ならば、充分にリアルボーカルの代わりになります。
これから10年のボカロが進む道
「初音ミク 10周年」のお祝いムードは凄いものがありました。08月31日はサッカーのワールドカップ出場を決めた日ですが、その熱さに負けてなかったのではないでしょうか?
わたしもワールドカップの予選をテレビで観戦しながらですが、YouTubeで初音ミク 10周年をお祝いしているたくさんの力作を視聴させてもらいました。
個人的には以下の動画がアレンジ力や作曲力を含めた楽曲制作技術の高さもそうですが、メジャー感があり、リアルボーカルが歌っても良い曲になると思うので良かったです。
「リアルボーカルが歌っても良い曲になると思うので」と書きましたが、今でもボーカロイドというだけで門前払い的なリスナーもたくさんいます。
もちろん「このままでも良い」という人もいれば「リアルボーカルと同等の立場になって欲しい」という人もいると思います。
コンピューターを使用した音楽は「打ち込みのドラムなんて」「打ち込みのベースなんて」「打ち込みのギターなんて」という否定的な意見を持つ人たちをソフト開発者の熱意や技術により黙らせてきました。
ボーカロイドもこれから10年で、きっとさらなる進化を遂げ「リアルボーカルと同等の立場になる」と信じています。初音ミク 10周年、本当におめでとうございます。
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