音楽教育を守る会とJASRACの主張
以前、このサイトでも「JASRACの音楽教室から著作権料徴収に反対の声」で書きましたが、ヤマハ音楽振興会がJASRACに対して「教室での演奏には著作権は及ばない」を確認する訴訟を東京地裁に起こす方針を固めたようです。
カラオケの歌う動画投稿は「違法」というカラオケ機器メーカーの権利が2017年5月に認められましたが、最近、音楽をめぐる著作権の話題が増えています。
音楽教育を守る会の主張
ヤマハ、河合楽器製作所、島村楽器、宮地商会、山野楽器などの音楽教室は02月に「音楽教育を守る会」を結成して、使用料規定を出さないようJASRACに指導することを文化庁に要請しています。
簡単に書けば音楽教室から著作権料を徴収する方針を決めたJASRACに対する音楽教育を守る会の主張は「教室での演奏には著作権は及ばない = 支払う必要なし」です。
来年01月の徴収開始を目指しているJASRACの徴収額の推計は年間10億~20億円ですので、当然、音楽教室が猛反発するのは当然です。
JASRACの主張は無理がある
以前も書きましたがJASRACの主張は、かなり無理がありますので「使用料率など金額の問題でなく著作権がそもそも及ばない」という音楽教育を守る会の狙いは理解できます。
ただ、音楽教育を守る会の「レッスンで使用する楽曲の選択に影響が生じ、幅広いジャンルの音楽に接する機会が減少し、音楽愛好家や演奏人口の減少につながる恐れがある」「日本の音楽文化の発展を阻害する結果となるなど、社会的影響は大変大きい」などの訴えは、論点からは今ひとつズレている気がします。
人気曲を教材として使用しなければ、生徒の数が激減するとを考えていることが透けて見えてしまいますが、音楽テキストに掲載されている楽曲の著作権料はJASRAC側に支払われています。
教えるための演奏と聴かせるための演奏は明らかに違いますので、レッスンでの演奏に使用料まで徴収しようとするJASRACのほうが、やはりおかしいです。
演奏権の使用料は認めるべきではない
東京地裁がどのような判断をするかはわかりませんが、わたしの考えからすると、教室でのレッスンでの演奏権は認めるべきではないと思います。
著作権者を守ってあげないと中長期のスパンで見たときに、新たな才能が埋もれていってしまいますが、今回の件に関しては明らかにJASRACが間違っています。
JASRACに信託されている楽曲が無断でYouTubeなどの動画サイトに投稿されていますが、もっと本気になれば一斉に取り締まることができるはずです。
取り締まっても動画が削除されるだけで、JASRACには1円も入ってきませんので、労力に見合わないのは確かですが、楽なところから徴収しようとする姿勢が、「JASRAC=敵」の一般人からの構図になってしまっています。
YouTubeなどの動画投稿サイトも、カラオケ制作者の許可得ていないCDなどの音源をバックに歌うのはNG(著作権違反)としていますが、しっかりと運営側(Google)にも罰則を設けない限りは減らないです。
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