IK Multimediaのベース音源『MODO BASS』
2016年10月に発表されてからリリースまでの期間がかなりありましたが、期待していた人も多かったであろうIK Multimediaのベース音源『MODO BASS』を購入しました。
発表時は11月下旬リリースのアナウンスがありましたが、下旬になっても、なかなかリリースがされず、本当に11月ギリギリ発売だったので、初回登場の『MODO BASS』には「多分バグがあるだろう」と折り込んだ上で購入しました。
別にもう少し待っても良かったのですが、イントロプライスだったのと、円安方向に進んでいて、さらに円安が進みそうな気がしたので早々と購入しました。
フィジカル・モデリングのベース音源
「熟達したベーシストにより演奏されたかのような、かつてないリアルなベース・トラック作成することができる」というのに惹かれた人が多いのではないかと思いますが、『MODO BASS』はサンプルベースの音源ではなくフィジカル・モデリングによるエレクトリック・ベース音源です。
そのため数ギガバイトが当たり前の現在のソフトシンセですが、HDD専有量も少ないのでインストールも素早く終わります。
エレクトリック・ベース音源『MODO BASS』でモデリングされているのは「時代や音楽ジャンルを象徴する12機種のベース」「奏法、楽器、エフェクト、アンプなど、ベースの演奏」「フィンガー、スラップ、ピックの3奏法」「20種類のベース・ピックアップ」などです。
12機種のベースから選択
まず『MODO BASS』はモデリングされているフェンダーの「Precision(プレシジョン)」、リッケンバッカーのスタンダードモデル「4003」、ギブソン「Thunderbird」をはじめとする12機種の代表的なベースのなかから実際に使用するベースをModelセクションで選択します。
<MODO BASS搭載の12機種のベース>
「60’s P-Bass(モデル:Fender Precision Bass)」
「70’s P-Bass(モデル:Fender Precision Bass)」
「70’s J-Bass(モデル:Fender Jazz Bass)」
「Modern J-Bass(モデル:Fender Jazz Bass)」
「Devil Bass(モデル:Gibson EB-0)」
「Bass Man 5(モデル:Music Man StingRay 5-string)」
「Rick n’ Bass(モデル:Rickenbacker 4003)」
「Studio Bass(モデル:Yamaha TRB5P)」
「Violin Bass(モデル:Hofner Violin)」
「Thunder Bass(モデル:Gibson Thunderbird)」
「Japan Bass(モデル:Ibanez Soundgear)」
「Flame Bass(モデル:Warwick Streamer)」
Native Instrumentsの安価で購入することのできるKOMPLETE ライブラリでも「SCARBEE PRE-BASS(モデル:Fender Precision Bass)」や「SCARBEE RICKENBACKER BASS(モデル:Rickenbacker 4003)」がありますので、各ベースのサウンドの特徴を知っている人もいるのではないでしょうか。
無限のベースサウンド
実際に『MODO BASS』を演奏してみると100%ものにして楽曲に活かすのには時間が掛かりそうだというよりも、修得に時間を掛ければ想像以上に満足のゆくリアルなベーストラックに仕上げられそうな感じです。
ベースを選んだ後に真っ先に、わたしが試したのは表情豊かなベース演奏には欠かすことのできないモデリングされているスライドやミュートなどのベース奏法です。
キー・スイッチやコントロール・チェンジでコントロールすることのできスライド時や弦の振動によるノイズの音量調整も可能で、これがなかなか良い感じでした。
次にPlay Styleセクションで選択することのできるミュートのパラメータも用意されている「フィンガー」「スラップ」「ピック」の3種類の奏法を試してみました。
普通に3種類の奏法を切り替えるだけだと「こんな感じか」というくらいで、それほどは驚きませんが、弦の材質、弦の張り方までモデリングされていて選択することができます。
また「演奏する手の位置の移動」「指で弾く強さやピックの厚さなどの設定」も可能です。
当たり前ですがベースの表情がどんどん変わってゆきますので『MODO BASS』で作り出せるベースサウンドは無限です。
MODO BASSは評価が分かれる
以上が『MODO BASS』を初めて使用したときの第一印象ですが、とにかく未知数であるのと同時に評価が分かれるのではないかと思います。
打ち込みの技術や知識がある人はかなり満足がゆく音源だと思いますが、ベタ打ちで打ち込みを行っている人には本来の性能が活かしきれないのではないでしょうか。
個人的にはサンプルベースのベース音源では考えられなかったことが物理モデリングの『MODO BASS』ではできるため好印象です。
今までにないくらいにベースサウンドを作りこむことができそうなので「良い買い物であった」と後々思うことができる気がします。
今後もIK Multimedia『MODO BASS』で気になったことや「これは凄いな」と思えるがあったら、このサイトで書いてゆきます。
リリースから丁度1年経った2017年11月30日にIKのベース音源『MODO BASS 1.5』が登場しました。
この記事では「未知数」と書いていますが、2017年12月に公開した「MODO BASS 1.5が登場 – 1年で定番ベース音源に仲間入り」のほうでは個人的に高評価を与えています。
ミックスのなかで、しっかりとベースに求められる役割を『MODO BASS』は果たしてくれます。
コメント
MODO BASSを購入しようか迷っているのですが、ネットでも意見が分かれている感じなので、なかなか踏み切れずにいます。正直なところ買いでしょうか?
コメントありがとうございます。
現在テスト段階ですが、かなり、つかめてきたので、来年の2月から仕事でもMODO BASSを使用してゆく予定です。「太い音=良いベースではない」ということと、ミックスでベースの100Hz~200Hzあたりの音の処理ができているのであれば買って損はしないと思います。
購入した当初は線が細い感じがしたのですが、使っているうちに何かいい感じになってきました。ベースが曲に馴染みます。価格から考えると良いベース音源です。