V-METALの特徴
Prominyのギター音源「V-METAL」が登場したのは2011年ですが、リアルなギターサウンドを再現することができるので、今でも人気があり定番のソフト音源となっています。
収録されているのはEMG ハムバッカー・ピックアップ搭載ギター「ESP Alexi Blacky」のサウンドのみですが、約19GB、26,000サンプルも収録されています。
現在はたくさんのギター音源が発売されていますが、リアルなギター表現には欠かすことができない多くの「ギター奏法」や「ギターノイズ」も収録されているのも「V-METAL」の人気の理由です。
V-METALに収録されるのはクリーンサウンド
初めに書いておきますが、デモなどを聴くと音がかなり歪んだメタルサウンドになっていますが、「V-METAL」の初期状態はギターからダイレクトにレコーディングされたクリーンサウンドです。
デモはアンプシミュレーターなどを使いエフェクト加工されていますが、初期状態はエフェクト加工されてない音なので「V-METAL」を使用するときはアンプシミュレーターは必須です。
より低く重い音が出るドロップC(最低音 Eがスタンダード・チューニング)にチューニングされているので、メタル系に特化されている音源のように思えますが、クリーンサウンドなので、メタル系の曲だけでなく、他のジャンルにも使用することができます。
ポップス系の曲やライトロック系の曲でギターソロに「V-METAL」を使用してもEQで処理してあげれば非常に良い感じになります。
V-METALのさまざまなギター奏法
リアルなギターサウンドには必須のギタリストが行う以下の奏法に「V-METAL」は瞬時にアクセスすることが可能です。
「シングル・ノート」「リアル・コード」「リアルタイム・レガート・スライド/ハンマリング&プリング/トリル/ピッキング・トレモロ」「ユニゾン・チョーキング」「ダブル・チョーキング」「ビブラート」「ミュート」「ピッキング・ノイズ」「クリケット奏法」「グリス・ダウン」「ピッキング・ハーモニクス」「ナチュラル・ハーモニクス」「フレット・ノイズ」「ピック・ストップ・ノイズ」「ブリッジ・ミュート・ノイズ」「フィンガー・リリース・ノイズ」「ポジション・チェンジ・ノイズ」「フィードバック」「スクラッチ」「アームやハーモニクスなどによる特殊効果音」など。
上記を見るとあまりに多いので、ギター演奏をしたことのない人だと「・・・状態」になりますが、ギターソロに必須の弦をこすりながら音程が変化させる「レガート・スライド」や「グリス・ダウン」はかなりリアルなクオリティーです。
V-METALはさまざまなギターノイズを収録
個人的にギター音源で重視しているのは「ギターノイズ」です。最近のギター音源は非常にリアルになりましたが、やはり打ち込みですので同じフレーズのコピペなどもあり、聴いていて初めはリアルに聴こえるのですが、やはり物足りなくなってきます。
そこで打ち込みでは「本物のギターっぽさ」を強調することが重要になり、ギターノイズを上手く入れてあげることが大きなポイントになります。
ピッキング・ノイズであったり、最近はエレキギターでもわざと大きく聴かせている楽曲もありますが、アコギでいう「キュッ、キュッ」という音であったりのノイズを入れてあげると、よりリアルなギタートラックになります。
V-METALには「ピッキング・ノイズ」「フレット・ノイズ」「ピック・ストップ・ノイズ」「ブリッジ・ミュート・ノイ ズ」「フィンガー・リリース・ノイズ」「ポジション・チェンジ・ノイズ」などのノイズが豊富に収録されていて、演奏されている弦やフレットに応じて正しいポジションのノイズ・サンプルが自動的に選択されます。
V-METALのキースイッチ
セレクトキー
D#0: sus4 Realtime リアルタイム・レガート・スライド
D0: add9 リアルタイム・レガート・スライド
C#0: picking tremolo
C0: octave リアルタイム・レガート・スライド
B-1: trill (whole step) 全音トリル
A#-1: trill (half step) 半音トリル
A-1: 6th-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド
G#-1: #5th-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド
G-1: 5th-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド
F#-1: flat 5th-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド
F-1: 4th-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド
E-1: major- 3rd-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド
D#-1: minor 3rd-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド
D-1:singlenotenolegato レガート無し
C#-1: single note リアルタイム・ハンマリング&プリング
C-1: single note リアルタイム・レガート・スライド
B-2: unison bend ユニゾン・チョーキング
A#-2: double bend ダブル・チョーキング
A-2: other chords (‘Rush chords’)
G#-2: major 3rd vibrato
G-2: natural harmonics
F#-2: FX1 – scrape, slides, noises
F-2: FX2 – whammy bar
E-2: FX3 – whammy bar
D#-2: FX4 – whammy bar
プレイキー
F#0: グリス・ダウン
G0: フレット・ノイズ&ポジション・チェンジ・ノイズ
A0: ブリッジ・ミュート・ノイズ
A#0: リピート・キー
B0: クリケット奏法
クリケット奏法はシングル・ノートが選択されている状態でかつ1、 2、3弦のうちいずれかが選択されている時に演奏可能。通常のサスティン・サンプル打鍵した後、B0キ ーを押すことでクリケットのサンプルがトリガーされます。
ストリング・セレクトキー(弦セレクトキー)
A5: 2弦
G#5: 3弦
G5: 4弦
F#5: 5弦
F5: 6弦
V-METALのオススメ度
宣伝力の差もあり「Electri6ity」のほうがスタンダードなギター音源な感じですが、とにかく設定が複雑でツールに使われている感じなので、しばらく使わないと忘れてしまい挫折する人も多いのは事実です。
その点「V-METAL」はわかりやすい作りなので、使いやすさなどを考慮すると「V-METAL」のほうが個人的にはオススメです。(ベスト3に入る本当に良いギター音源です。)
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