今さら感の「ACID Pro」と「ACID Music Studio」が売れている

ソースネクストのSONY製品

ACID ProとACID Music Studioが再び人気

ループを並べて音楽を完成させるSONYの「ACID(アシッド)」というソフトは、すでに過去の音楽制作ソフトイメージがありますが、ソースネクストが販売元となって以来、話題に上がることが多くなりました。

長い間バージョンアップもしていないのにも関わらず、キャンペーン時に破格の『ACID Pro 7』と『ACID Music Studio』が非常に好調です。特に統合型DAWソフトの『ACID Pro 7』は人気があります。

<2019年08月追記>
日本で「ACID Pro 9」 がリリースされました。新たに上位版「ACID Pro NEXT」と最上位版「ACID Pro NEXT Suite」がラインナップされています。

パッケージの詳細と選び方などは激安DAW「ACID Pro 9」「ACID Pro NEXT」の選び方を参照して下さい。最上位版「ACID Pro NEXT Suite」は強力です。

> 『ACID Pro シリーズ』の詳細情報と最安値情報

<2019年06月17日追記>
「ACID Pro 9の新機能」のページを公開しました。追加されたソフトシンセの記事などを書いています。ソースネクストのページよりも詳しいです。

> ACID Pro 9の新機能

ACIDとは?

ACID Pro 7 画像2オーディオループ素材をドラック&ドロップするだけの簡単操作で音楽制作をすることができるのが一つの時代を築いた『ACID』です。

『ACID』で使用するオーディオ素材「ACIDファイル」は、あらかじめキーやテンポが設定されているので、楽曲のテンポを変えても自動的に調整してくれます。

多くのDAWソフトに、この機能は今では搭載されていますが、「ACIDファイル」を搭載したサードパーティー製のライブラリの多さからも『ACID』がひとつの音楽制作の手法を作ったと言っても間違いはないと思います。

現在販売されているのは統合型DAWソフトの機能も持つ最上位版『ACID Pro 7』と、エントリー版『ACID Music Studio 10』です。

最終アップグレードが『ACID Pro 7』が2009年、『ACID Music Studio 10』が2014年06月ですので、もう開発をしていないと思われます。

かなり人気のあったソフトが衰退してしまったのは「GarageBandの登場」「ソフトシンセの進化」「低価格なiPad用音楽制作アプリのヒット」あたりが考えられます。

GarageBandの登場 – ACIDが衰退した理由1

Macに対応しなかったのでMacユーザーは使うことができなかったのですが、Appleが「Apple Loops」を並べてゆくだけで楽曲を制作することができてしまう『GarageBand』をリリースしました。

ACIDに興味を持っていたMacユーザーも非常に多かったので、当然『GarageBand』には食いつきますが、大したことはなかったというのが率直な感想です。

結局オーディオループはドラムは良いにしても、他の楽器のキーは調整してあげなくてはいけませんので、トータルで考えると打ち込みよりも時間が掛かります。

また『GarageBand』が登場して以来、次々と主要のDAWソフトがトラックにドラック&ドロップできるループブラウザを搭載し、『ACID』をあえて使う理由がなくなってゆきました。

ソフトシンセの進化 – ACIDが衰退した理由2

同時に、この辺りからオーディオ素材のサウンドのほうがリアルというイメージが先行しますが、ドラムだけでなく、ベースやピアノをはじめ、その他のパートもソフトシンセが進化してサウンドにチープ感がなくなりリアルになりました。

ダンス系のミュージックなら別ですが、ポップス系の第一線でMIDIデータを使ってきた人間からすると、素材のフレーズごとにキーを調整してゆくことは「不自由で音楽的ではなかった」です。

ソフトシンセがリアルになれば、決められたフレーズを並べて、修正してゆくよりも、自らフレーズを作っていったほうが音楽的であるだけではなく、時間も圧倒的に早いです。

iPad音楽制作アプリの登場 – ACIDが衰退した理由3

そして、衰退の決め手になったのが「iPAD音楽制作アプリ」の存在です。2014年06月に登場した『ACID Music Studio 10』は1万円を超える越える設定でしたが、すでに「iPAD音楽制作アプリ」が低価格ながら、かなりの事ができるようになっていました。

24ビット/192kHzのオーディオに対応した以外に『ACID Music Studio 10』で特筆すべき点は何もなかったため、DAWスタイルのほうでも書いた記憶がありますが「時代錯誤のこの価格設定では売れない」と思いました。

その後は知らないうちに『ACID Pro 7』と『ACID Music Studio 10』はソースネクストが販売元になっていました。

再びACIDが人気 – 開発終了ではなく完成形?

ACID Pro 7 画像1ソースネクストが販売元になってからキャンペーン時に破格な値段ということもあり、『ACID Pro 7』と『ACID Music Studio 10』が再人気です。

当時、4万円前後で売られていた『ACID Pro 7』が頻繁に行われるキャンペーンセールで1万円を大きく切っていますし、オーディオ素材を3,000以上収録していますので、素材集としても使用することができますのでわかる気もします。

<2017年06月追記>
2017年06月よりソースネクストが販売を開始した12ジャンル/8000種類のループ音源を収録するMAGIXの『Music Maker Premium Edition』は、ループを直感的に並べてゆき、組み合わせれば、誰でも簡単に作曲をすることのできるDAWソフトです。

キャンペーン時の価格は、ほぼ、ACIDと同等で、収録ループ数の多さだけでなく、VST3にも対応している最新バージョンだけあり多機能です。

長い間、DAW関連のサイト運営をしていると、どうしても「今まで出来なかったことが出来るようになった」のような新機能にばかり目が行ってしまいます。

DAWスタイルで「ACIDシリーズ」が人気ページになったことも考えると、すべての人たちが新機能ばかりを求めている訳ではないのだと考えさせられました。

Windows10にも対応していますので『ACID Pro 7』と『ACID Music Studio 10』は開発終了ではなく完成形という捉え方をしているユーザーもいるのかもしれません。

多分、個人的にはないと思いますが、『ACID Pro』と『ACID Music Studio』にまさかのアップグレードがあった場合は、かなり話題になるのではないかと思います。(2017年01月時点)

最後に『ACID Pro』と『ACID Music Studio』は必ずキャンペーン時に安くなっているときに購入して下さい。悲しい気持になりますので、間違っても定価では購入してはいけません。

<2018年追記>
まさかのアップデートがありました。2018年05月に「ACID Pro 8」がリリースされました。64bitにも対応して、素材もたくさんついています。

> 『ACID Pro』と『ACID Music Studio』の公式情報と最安値情報

<2018年05月追記>
2018年05月03日に「ACID Pro 8の新機能」のページを公開しました。新ソフトシンセやエフェクターの記事も詳しく書いています。

> ACID Pro 8の新機能

<2019年06月追記>
2019年06月に「ACID Pro 9の新機能」のページを公開しました。新機能や追加されたソフトシンセの記事などを書いています。記事公開時点ではソースネクストのページよりも詳しいです。

> ACID Pro 9の新機能

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