Native Instrumentsの予備的破産手続き開始はショッキングだが静観のとき

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2026年は始まったばかりですが、1月27日、DTM業界で制作の柱ともいえる存在であり、多くのユーザーを抱えるベルリン拠点のNative Instruments(ネイティブ・インストゥルメンツ、NI)が、予備的破産手続きに入ったことが確認され、業界内外で大きな話題となっています。

現在でもソフトシンセ「Komplete」は、多くの音楽クリエイターにとって制作の柱となっている存在です。

さらにNative Instrumentsは、iZotope、Brainworx、Plugin Allianceといったブランドを子会社・関連ブランドとして統合・再編してきましたので、今回のニュースは非常にショッキングなものと言えるでしょう。

今後の行方が気になるところで、日本国内代理店のメディア・インテグレーション(Media Integration)も、しっかりとこの件に関して情報を発信しましたが、このページでは現状判明している情報を整理して記載します。

Native Instrumentsの予備的破産手続き

予備的破産手続きとは?

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予備的破産手続きは、ただちに事業を停止するものではなく、主にドイツなど欧州で用いられる制度で、日本の「破産開始」より前の準備段階にあたる手続きです。

正式な破産手続きが開始される前に「資金流出の防止」「事業再編の検討」「財務状況の立て直し」「新たな投資家の募集」など、今後の経営方針を判断するための段階に入った状態です。

企業の再建手続きの一環として広く用いられるものなので、現時点で Native Instruments が破産したわけでもなければ、事業を終了することが確定したわけではありません。

この期間にNIが「再建できるか?」「破産手続きを開始するか?」を裁判所に判断されます。

Media Integrationの情報

日本国内代理店のメディア・インテグレーション(Media Integration)は、以下のように、今回の件について情報を発信しています。

詳細は本社確認中となりますが、現時点でNative Instrumentsによる「予備的破産手続き」の開始について報道されています。

この手続きは現時点で事業停止をすることはなく、事業再編や投資家募集など今後の方針を判断するフェーズに入った状況と予測されます。

従って現時点で事業停止や破産を確定するものではなく、以降の決定まで国内ユーザー様への弊社日本語テクニカルサポートなども継続して実施されます。

Native Instruments、iZotope、Plugin Alliance共に日本でも多くのユーザーに支えられるブランドの一つとして、今後の動向について判明次第改めてアナウンスをさせていただきます。

メディア・インテグレーション公式サイトより

ユーザーへの影響と今後の動向

日本国内ユーザーへの影響

現段階では、Native Instruments、iZotope、Plugin Allianceはいずれも、今後の正式な決定が下されるまでのあいだは、日本語によるテクニカルサポート、既存製品・サービスの提供などは継続して行われます。

もしいきなりの消滅とかになってしまうと、Cakewalkを買収したギブソンからの2017年の「SONAR開発中止Cakewalkは消滅」の発表の数倍以上の衝撃となってしまいます。

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ショッキングなニュースで、危険な状況には変わりありませんが、突然のサポート停止や即時のサービス終了といった状況ではない点は、NIユーザーとしては安心してもよいと言えるでしょう。

今後の動向に注目

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iZotope、Plugin Allianceも含めて、DTM業界における老舗ブランドである Native Instrumentsの存在感を考えると、今回の「予備的破産手続き」の動きが今後どのような形で収束するのかはユーザーだけでなく音楽制作業界においても非常に重要です。

短期的にはサポートやアクティベーション等のサービスは継続される見込みですが、長期的にはSNSなどでも騒がれているように、NI ブランドや製品ラインに変化に懸念が持たれます。

ブランド価値の高いNIの行方

音楽制作の世界は次のフェーズに突入

音楽制作の世界は、Celemony「Tonalic」であったり、EASTWESTと新たなパートナーシップを発表した「ACE Studio」のようなAI技術を全面に押し出した制作ツールが本格的に使われることが予想されています。

また、無断学習をめぐって訴訟中のSunoやUdioとは異なり、権利関係がクリアになった音楽生成AIとして、昨年話題を集めた「FUJIYAMA AI SOUND」が、2026年1月23日にリリースされました。

テクノロジーの進化を取り入れながら発展してきた業界ですので、権利関係がクリアなツールに関してはプロのクリエイターでも積極的な活用が予想されます。

NIは新技術を牽引しているという印象が弱い

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そんな中で、Native Instrumentsのユーザーとしては、救済買収のシナリオがベストで、スポンサーや買い手が見つかればよいと思います。

ただし、NIは負債が多く、ここ数年は新技術を牽引しているという印象が弱いのが気になります。

むしろ、アップデートによる「お布施ビジネス」のイメージのほうが強くなっているように感じられます。

とはいえ、ブランド価値自体は依然として高いだけに、今後どのような展開になるのか注目したいところです。

明日から突然プラグインが使えなくなる、といった事態ではありませんので、今回のニュースはショッキングではあるものの、現時点ではユーザーは冷静に状況を見守る段階と言えるでしょう。

メディア・インテグレーションは、今後の動向に進展があり次第、改めて公式情報を発信するとしています。

Native Instrumentsに関する新たな続報が判明した際には、本サイトでも随時お伝えしていく予定です。

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