SONAR開発中止Cakewalkは消滅 – ユーザーは乗り換えるべきか?

Cakewalk「SONAR」ワイド画像

SONAR開発中止によるユーザーが取るべき道

Cakewalk「SONAR」の開発中止とCakewalkブランドの消滅が発表されましたが、ここ数日、それほど多いというわけではありませんが「DAWスタイル」経由で、いつもより多く質問メールを頂いています。

質問メールはCakewalk「SONAR」の開発中止により「乗り換えるのなら、どのDAWが良いですか?」という内容です。

SONAR開発中止の流れ

まず、2013年にCakewalkを買収したギブソンから2017年11月17日にCakewalkブランド製品の積極的な開発と生産の中止の発表がありました。
SONAR開発中止その数日後にCakewalkのほうから「SONARシリーズ」をはじめとするCakewalk社製品の積極的な開発や生産を中止することが発表されました。

購入済みのソフトウェアに関してはサーバーは継続して運営されるため、これまで通り使うことができ、Cakewalk community(ユーザーフォーラム)も継続して提供されますが、SONARの売りであった2017年11月以降のマンスリー・アップデートも再開の目途が立つまで停止となっています。

個人的にもWindows環境では「SONAR Platinum」を、よく使用していますし、The Cakewalk Teamから11月03日に「Cakewalkストアでは、USD、CAD、JPYに加えてユーロ、GBPの通貨を受け付けるようになった」とのメールが来ていたので、正直なところ開発中止は驚きました。

ブラックフライデーであったり、ホリデーセールの情報をどのメーカーも前倒しで出して盛り上がっている最中なので「なぜこのタイミング?」という感じです。

ギブソンの業績もかなり良くない

知らない人もいるかもしれませんが、以前「Vision」というトップシェアを2分していたDTMソフトがあったのですが、ギブソンの傘下になってから「Vision」も消滅してしまいました。

そのためSONAR開発中止で「またか」という感じもしますが、ギターの売上低迷をはじめ、ギブソンの業績もかなり良くないです。

楽器やDTMツールの売り上げ低迷はギブソンに限ったことではないですが、今となってはDTMの老舗的存在だったローランドで難しかったものが、ギブソンで上手くゆくハズがないという感じです。(後からなので何とでも言えます。)

ローランド時代より日本語の情報が少なかった

SONAR「ProChannel」ローランド時代と違い「SONAR」の魅力を伝えるメーカーからの情報がほとんどない状況でした。

はじめはTASCAMから、そこそこ日本語メールなどが入っていましたが、今ではもうないですし、機械的にマンスリー・アップデートの内容をHP掲載するだけのイメージしかないです。

現状DAWは完成していて最上位版に関してはワークフローは違いますが、できることは同じで「その差のアピール」をしなければユーザーを獲得することは非常に難しいです。

ハッキリ書いておくと、もともと「ProTools」や「DP」を仕事で使用している人間を完全に引き込む力は「SONAR」というDAWにはありません。

プロユースだけでなく、こんな状況だとエントリーユーザーは間違いなく使用者も多く情報量の多い「Cubaseシリーズ」を選択します。

SONARのセールスポイントは「ProChannel」ですが、VSTプラグインを普通に各トラックにインサートすることができ「Pre」「Post」の選択により「ProChannel」の前にエフェクトを掛けるのか、後に掛けるのかも選択することができます。

長年DAWソフトを使っている人なら、知っていて当然のことですが、初心者の人からすれば、そんな些細な情報でも世界が大きく変わってきます。

それだけでなくSONARの他のDAWと一線を画す「ProChannel」の魅力も、もっと伝えることができます。

日本に関して言えば、ローランド時代のほうが情報が良かったというよりも「SONAR」の魅力を伝えるスタッフがギブソンの傘下になってから、いなかったことが残念でなりません。

ユーザーはSONARから乗り換えるべきか?

さて質問メールの回答になるかはわかりませんが「乗り換えるのなら、どのDAWが良いですか?」の質問に回答すると「現状はあせる必要はない」というのがわたしの考えです。

最新版を使ってなければいけない理由があるはずもなく「SONAR Platinum」は現在でも充分に使えるDAWですし、The Cakewalk Teamから11月03日にPRメールが来ていますので、開発中止は急遽決まった感じがします。

現状では「SONAR」の行方はわからず、バージョンアップはしていないものの「今さら感の「ACID Pro」と「ACID Music Studio」が売れている」でも書いていますが、去年から、かなり売れている「ACID シリーズ」が歩んだ道というのも可能性はゼロではないはずです。

そんなこともあり乗り換えを検討する必要はなく、あせらないのが一番ですが、やはり他のDAW情報収集は少しずつでも始めてゆくと良いと思います。

乗り換えるならどのDAWソフト?

乗り換えるべきDAWはどれが良いかは一概に言えませんが、「DTM・DAW定番の音楽制作ソフト10選」で紹介しているソフトのなのかから選ぶ人がほとんどでしょう。Windowsなのでやはり「Cubase」か「Studio One」が候補に上がってくると思います。

「Cubase」にしても「Studio One」にしても「SONAR」と同じ操作感を求めることはできませんが、わたしの体験談ですが「SONAR」自体が慣れると抜群の操作性なのですが、慣れるまでが他のDAWよりも少し時間が掛かります。

わたしが導入した「X2」のときに比べて、SONARは情報量も少なくなったので、「Platinum」を使い始めてから結局解決しないことも結構あります。(SONARでは、できないのかもしれません。)

言い換えると「SONAR」を使いこなしたユーザーなら定番のどのソフトに乗り換えても、短期間で自分の制作スタイルに合った使い方をマスターすることができます。

お手頃価格の「Studio One」に関してはMIDI関連は完全に遅れていますし、あまり重視はしていないということは頭に入れておいたほうが良いです。

他のDAWは新規ユーザーを獲得する大チャンス

そんな状況ですが、ライバル会社からするとSONARユーザーは国内だけでなく世界的に歴史があるだけに多いので、新規ユーザーを獲得する大チャンスで、まさに予想外の大キャンペーンの到来です。

ヤマハ・スタインバーグはSONARユーザーに対する「Cubase Pro 9.5」が半額となる優待販売を12月末まで全世界で実施すると開発終了の数日後に素早く出していますし、「Studio One 3」も救済クロスグレードキャンペーンを行うみたいです。

「救済クロスグレードキャンペーン」という名目ですが、他のDAWは「新規ユーザー獲得の大チャンス・キャンペーン」となります。

音楽の世界だけでなく固定して動かなかったソフトのユーザーを獲得するのは本当に大変なことですので、SONARユーザーの獲得は、どこも必死になるのは当然です。

短時間で書きました、とにかくSONAR開発中止とCakewalkブランドの消滅は残念です。

現在「Cubase 9.5」にアップデートされて大きな話題になっていますが、SONARの売りであったマンスリー・アップデートが逆にSONARの新機能の魅力をイベント的にアピールする機会を大きく奪ってしまった気がします。

<2018年03月追記>
CakewalkはBandLabファミリー迎え入れられましたので、SONARシリーズの存続は間違いないと思います。

内容の詳細は「SONARシリーズの存続 – Cakewalkは生きています」で確認して下さい。

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