低価格マイクの定番のニューカマーであるSEIDE(ザイド)は、創業してから10年経過していますが、まだまだ、この世界では新しいマイクブランドになります。
そのSEIDEのコンデンサーマイク「EC-ME」とダイナミックマイク「Pro-38S」は低価格であるため人気があります。
2015年に登場した「EC-ME」をファーストマイクに考えている人も多いと思いますが、実際に知人のボーカリストにコンデンサーマイク「EC-ME」で録音してもらった音源を送ってもらい聴かせてもらいましたのでレビューを書きたいと思います。
EC-MEのボーカル音を聴いた率直なレビュー
コンデンサーマイクとは思えないEC-MEの価格
単一指向性でボーカルの録音に最適な「EC-ME」はフルアルミニウム・コーティングの小型振動カートリッジを搭載したエレクトレット・コンデンサ一マイクで、カラーはブラックと、初音ミク・カラー?のホワイト & グリーンがラインナップされています。
ショック・マウント・アダプター、マイク・ケーブル、ウインド・スクリーンを付属しているにも関わらず、定番のダイナミックマイクよりも数千円安い約7,000円くらいの実売価格は「コンデンサーマイクがこの価格で買えるの?」という感じです。
上記の画像は別売りの卓上スタンド付きリフレクションフィルター「REF-1」と「EC-ME」の画像ですが、ある程度本格的なボーカル録音環境を構築しようと考えている人は「REF-1」を持っておいたほうが良いです。
EC-MEは原音に忠実が売りのマイクではない
知人のボーカリスト(リリース実績あり)に、この「EC-ME」でボーカル録音してもらった音源を送ってもらい聴きましたが、実売価格を考えれば当然ですが、コンデンサーマイクの音ではなく、ダイナミックマイクの音に近いです。
アナライザーで確認するまでもなく「EC-ME」の音は低域がカットされていて出ていません。長いあいだDTM宅録ボーカル用の低価格スタジオマイクの定番で紹介していきた定番のコンデンサ一マイクの音ではありません。
SEIDE EC-MEのオススメ度
歌い手ならEC-MEでも良いかも
「ボーカリスト」ではなく「歌い手」ならばOKというマイクで、このマイクの音がコンデンサ一マイクの音の基準になると、ある意味大変になりますので、ボーカリストを目指している人はファーストマイクには、やめておいたほうが良いと感じました。
音源を送ってくれた知人のボーカリストも、国内でも評価が上がりSEIDEの人気が出ているので購入したらしいですが、現在は使っていないそうです。
求めている最終的な作品クオリティーによっても違いがありますが、普通のボーカルトラックとして使用するのであれば、EQなど大幅なエフェクト処理を前提に使うマイクです。
ボーカリスト志望はEC-MEはやめておいたほうが良い
本格的なボーカリストを目指している人で、ファーストマイクに「EC-ME」の購入を考えている人も多い思いますが、このSEIDEというブランドの特徴であるナチュラルな音色の上での個性というのを求めるということは難しいです。
もちろんレコーディング環境によっても録音される音の違いというのは出てきますが、マイク自体のサウンドは、ボーカル録音用の定番のコンデンサーマイクというカテゴリーのなかで語るのは厳しいです。
定番の宅録マイクの音とは明らかに違いますので、SHUREのSM58と比較されることもあるボーカリストにも最適なSEIDEのローノイズスイッチを搭載するダイナミックマイク「Pro-38S」とは違います。
そのためボーカル録音という観点では「EC-ME」にコスト・パフォーマンスに優れたコンデンサーマイクという評価をすることは個人的にはできません。
ただし、上記はあくまでもボーカル録音での評価ですので、ナレーションなどで「EC-ME」の使用を考えている人には当てはまりませんし、安いのでセカンドマイクとしてなら持っていても損はないと思います。
そのため「EC-ME」は定番のコンデンサーマイクのように、原音に忠実ということを考えて作られたマイクではないと感じました。
SEIDEのマイクの持つサウンド・イメージである「ナチュラルな音色」というのが、ひとり歩きしたしたのではないかと思います。
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