発売以来ずっと定番のベース音源「Trilian」
大ヒットベース音源『Trilogy』の後継機として2009年11月に発売を開始して以来、ずっと定番のベース音源なのがSpectrasonicsの『Trilian(トリリアン)』です。
他のベース音源は『Trilian』があれば不要であろうという意見もかなりあるほど、クオリーティーの高いベース演奏を再現することができますが、2016年にIK Multimediaのベース音源『MODO BASS』が発売されて、再度、注目されました。
参考URL:ベース専用のオススメDTM音源
約34GBのサウンドライブラリー
ベース音源『Trilian』にはDVD 5枚 約34GBのライブラリーに「アコースティック・ベース」「エレクトリック・ベース」「シンセ・ベース」のサウンドが収録されています。
リリース時のIK Multimediaのマルチ音源『Sample Tank 3』の容量が33GB以上ですので、ベース・サウンドのみに約34GBというのが、どれだけ凄いかというのはわかると思います。
エレクトリック・ベースは「Fender Jazz Bass」「Epiphone Retro 60’s Bass」「Hardcore Rock 5-string」「Music Man Studio Bass」「Lakland Rock P-Bass」「Chapman Stick」。
シンセ・ベースは「Moog Minimoog」「Yamaha CS-80」「Cwejman Modular」「Roland Juno 60/106」「Korg MS-20」「Oberheim 2」「Waldorf Pulse」「Roland TB-303」「Novation Bass Station」をはじめ333種類が収録されています。
またリマスター&強化された『Trilogy』の音源や、1994年にリリースされたエイブラハム・ラボリエル、マーカス・ミラー、ジョン・パティトゥッチによる『Bass Legends』からセレクトされ、リマスターされたボーナス・ライブラリーも付属しています。
抜群の表現力のTrilian
大容量のライブラリーが魅力のベース音源ですが、リリース時に弦とフレットの間で発生するノイズであったり、同じ音を続けて弾くたびにサンプルが入れ替わるラウンド・ロビンも『Trilian』の特筆すべき点です。
また、フィンガー、ピック、スラップ、タップ、ミュートなどの多彩な奏法であったり、スタッカート、レガート、ビブラート、スライド、グリス・アップ、ハーモニクスなど、多彩なアーティキュレーションなどの抜群の表現力が『Trilian』にはあります。
8ビートのロック&ポップス系でよく使われるのが8分音符のベース・フレーズですが、ラウンド・ロビンとスライドで、かなりリアルに再現することができます。
弦とフレットの間で発生するノイズが入ったり、ミックス時にしっかりとコンプ&EQ処理されると、本物のベースと見分けろと言われても、わたしは見分ける自信がありません。
アルペジエイターを装備
個人的に『Trilian』のシンセベースは、あまり使用していませんが、シンセベースでのトラックメイクには、プリセットで50種類のパターンを収録するアルペジエイターを装備しています。
そのため、手間を掛けずにダンス系やエレクトロ系のシンセベース・トラックを作成することが可能です。
32種類の高品位なエフェクトを標準装備
チューブ・リミッターやコンプレッサーなど、Nomad Factoryなどの手による32種類の高品位なエフェクトを標準装備しています。
装備するエフェクターは「コンプレッサー」「イコライザー」「フィルター系」「ディストーション」「モジュレーション」「空間系」です。
エフェクトラックは自由自在に組み合わせることができ、プリセットも約100種類ほど用意されています。
わたしはベーストラックには『AmpliTube』を中心に使用するので、『Trilian』に標準装備のエフェクトはあまり使用しませんが、エフェクト部もしっかりとしていますので、納得ゆくまでベース・サウンドを作り込んで行くことができます。
そのため、どちらが良いとは一概には言えませんが『Trilian』のリアルなベースサウンドは、さすがに凄いということを再確認しました。サンプルベース音源では『Trilian』が最強のベース音源と言っても間違いないと思います。
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