数多く存在するWAVESのバンドル製品のなかで、多分最も売れたバンドル製品が「WAVES GOLD」ではないでしょうか?
売れている理由はお手頃感と、他社も含めて、さまざまなプラグイン・エフェクトの良し悪しを判断する基準になるプラグイン・バンドルだからです。
30種類以上のプラグインが「WAVES GOLD」には収録されますが、定番中の定番コンプの「Renaissance Compressor(ルネッサンス・コンプレッサー)」が収録されていることが購入の決め手になった人も少なくないと思います。
超定番コンプ Renaissance Compressor
楽器からボーカルまで万能な「R-Comp」
中級者・上級者に所有しているサードパーティー製のコンプレッサーのアンケートを取ったら、確実にベスト3にランクインされるだろうと予想することができるのが「Renaissance Compressor(R-Comp)」です。
コンプの動作モードを「Electro(電子式)」と「Opto(光学式)」に切り替えることができ、ドラム、ギター、ベースなどの楽器からボーカルまで使用することができるのが特徴なコンプレッサーです。
アナログ的なウォーム感を「Warm」で付加したりもできる万能コンプですので、わたしはしませんが、主要トラックすべてに「R-Comp」を立ち上げる人も現在でもいるのではないでしょうか?
R-Compは簡単操作で確実な効果を実感できる
ミックス初心者の人だとコンプレッサーは、効果がわかりにくいと思いますが、簡単操作で確実な効果を実感できる「Renaissance Compressor」です。
シンプルなインターフェイスなので難しいイメージのコンプのハードルを一気に下げてくれます。
コンプ初心者の人はレシオとスレッショルドは何となくわかるという人も多いと思いますが、アタックタイムとリリースタイムの設定が難しく、ハードルが高く感じてしまっているのではないでしょうか。
「R-Comp」には「ARC(Auto Release Control)」があり、リリースタイムを自動で設定してくれますので、少なくともリリースの設定で悩むことはありません。
コンプレッサーの効果がわかるようになったときは「Manual」に切り替えて、自分でリリースタイムを設定することもできます。
R-COMPは過去のプラグインなのか?
WAVESが業界定番になってかなりの時間が経ちましたが、ここ数年は、すでに時代遅れ的なことが言われ始めています。
確かに定番のマスタリング・プラグイン「L3 シリーズ」にしても、当時の目的から考えた効果だけを見ると、すでに他社に越えられています。
ただ、「R-Comp」にしても「L3 シリーズ」にしても、ミックス関連のことを書いている雑誌や書籍などでもプロのサウンドエンジアのお気に入りのプラグインとして頻繁に登場します。
これはアマチュアのサウンドエンジニアではない限り、ダイナミクス系のエフェクターは、モニター環境と同様に生命線ですから、なかなか変更しないからです。
テストを重ねつつ徐々に切り替えていったとしても、一気に切り替えるということは、安定した音を求めてオファーする人も多いので、仕事である以上考えられません。
ハイレゾ音源が一般リスナーに普及すれば、また違ってくる気もしますが、圧縮された音源が選ばれた過去の経緯から考えると、多分そこまではハイレゾ音源自体が普及しないと思います。
少し話が逸れましたが、それでも「R-Comp」は、全然現役で使える非常に優れた即戦力コンプです。
「FabFilter Pro-C2」などを使用する人も増えてきましたが、過去のプラグインというよりも「多くの人に愛されたプラグイン」という表現が相応しいです。
もうひとつ書いておくと、プロのサウンドエンジアは、DAW標準搭載するプラグインだけでも、アマチュアが高額なプラグインを使用してミックスしたものよりも遥かに優れたミックスをします。
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