2020年05月にEventide(イーブンタイド)から高解像度ピッチシフター・プラグイン「MicroPitch」がリリースされました。
同社のH9 シリーズに仲間入りしたピッチシフター・プラグインなのですが、「新次元」であったり「スラップバック・エフェクト」など、製品の特徴をつかみにくい言葉がメーカーの宣伝文句となっているため、「正直わかりにくい」という人も少なくないと思います。
実際にわたしは「MicroPitch」を導入しましたので、ここでは製品紹介だけでなく、簡単な使い方やレビュー記事を書かせてもらいます。
MicroPitchの特徴
2つのボイスのピッチシフター
2つのボイス「A」と「B」のピッチシフトが「MicroPitch」では可能です。PITCH Aは 0セント(ユニゾン)から +50セント、PITCH Bは 0セント(ユニゾン)から -50セントのあいだで設定することができます。
「A」と「B」の音量バランスは「PITCHI MIX」で調整します。「A10+B10」で両方の音量はイコールで再生されますが、「A10+B0」にすれば「B」のボイスボリュームは0になり、「A0+B10」にすれば「A」のボリュームは0になります。
ボーカルをダブルやトリプルトラックにするとピッチシフトの効果がわかりやすいですが、さらにMOD「DEPTH」「RATE」でボイスのコーラス効果も設定することができます。
なお、高解像度ピッチシフター・プラグインなので、3度上げや3度下げのような使い方を期待している人もいるかもしれませんが±50セントの範囲でのピッチシフトとなるのでできません。
ループ素材のキー調整には「MicroPitch」は使うことができませんので注意が必要です。
ディレイ・プラグインとしても使い勝手がよい
名前が「MicroPitch」なのでピッチシフター以外の用途ではあまり注目している人はいないのが当然ですが、直感的に使えるディレイ・プラグインとしても使い勝手がよいです。
曲のテンポにも自動でディレイタイムを合わせることができ、「MicroPitch」のピッチシフターと併用することにより、かなり納得のゆくサウンドの空間を作ることができます。
かなり細かい調整を直感的に行なえますので、このあたりがメーカーが宣伝文句で「新次元」を使っている理由ではないかと思います。
MicroPitchのポイント
MicroPitchの重さやプリセット
プラグインの重さはIK MultimediaのAmpliTube 4が「5/5」とするのであれば「MicroPitch」は「1/5」くらいです。
まったく重たさを気にするプラグインではありませんので、複数立ち上げても作業に支障はありません。
プリセットは基本的なものから個性的なものまで標準で収録されています。
センド/リターン方式でステレオ感の微調整
重いプラグインではありませんので、直接各トラックにインサートして使っても問題はありませんが、クラシックなステレオ拡散効果はありますが、ステレオ感の微調整が「MicroPitch」本体ではできません。
そのため1本のギターを2本のように聴かせるような、細かくステレオ感を調整したい場合は、FXチャンネルに「MicroPitch」を立ち上げてセンド/リターン方式で使用することをオススメします。
ボーカルのダブルトラック処理は直接インサートして使用。1本のギターを2本のように聴かせる場合はセンド/リターン方式で使用するなど、ケースバイケースで使用がよいでしょう。
固定のディレイ・プラグインの候補として「MicroPitch」
コンプやEQだと決まったプラグインを必ず固定して同じものを使用するという人もいると思いますが、「ディレイ」に関しては固定して使用するほどの決め手がないという人も多いでしょう。
そんな人は固定して使用するディレイ・プラグインの候補として「MicroPitch」を入れてもよいと思います。
今はプラグイン・エフェクトは、さほど高額でもなく溢れかえっているので「持っておいて損がない」程度の製品なら導入することはオススメしませんが、直感的な「MicroPitch」は音的にも戦力になるだけでなく、時間短縮にもなりますので重宝するはずです。
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