smart:EQの特徴
ミックスやマスタリングで苦戦している人は、オーストリアのメーカー Sonible社から2018年に10月にリリースされた「smart:EQ 2」が気になっている人も多いと思います。
この「smart:EQ 2」はAIによる学習能力を搭載した自動イコライジング機能を持つイコライザーで、メーカーの宣伝文句は「わずか数回の調整だけで、ミックスのディテール、透明度を向上させます。」となっています。
自動的にEQカーブを生成する「Smart:EQ 2」
ミックスお役立ちツールとしてiZotope Neutronの「トラックアシスタント機能」を使用している人もいますが、Sonible「Smart:EQ 2」も手軽に短時間でミキシングの目標に到達する手助けとなるプラグインです。
Sonible「Smart:EQ 2」の大きな特徴は「革命的な学習能力を搭載」「AIフィルターが自動的にEQカーブを作成」「Mid/Side対応」です。
最も注目すべき点はオーディオ素材を分析し、音楽的にバランスの取れた自然なEQカーブを自動で生成するところにあります。
数秒でミックスに明瞭さを加えたり、シングルトラックにパンチを出したりすることも可能です。
使い方は簡単で「プロファイル」でターゲットしているパートのアルゴリズムを選択し、レコードボタンでトラックを解析するだけです。
これだけで自動でトラックを分析し、EQカーブを自動で生成してくれます。もちろんAI解析結果を「Smart:EQ 2」の直観的なインターフェースで手動で修正してゆくことも可能です。
ミックスだけでなくマスタリングでも「Smart:EQ 2」は使用することができますが、やはりもう一つ微調整用のEQをインサートするほうが良いです。
Special EQ Bundle
自動イコライジング機能を持つ「smart:EQ 2」と「proximity:EQ+」「entropy:EQ+」のSonibleのEQがトータル3種類が収録される「Special EQ Bundle」もリリースされています。
「proximity:EQ+」は部屋鳴りなどの余計な残響音を調整することができ、「entropy:EQ+」高調波成分と非高調波成分を別々に分離して調整することができます。
> 『Special EQ Bundle』の詳細スペック&価格情報
ミックスのワンポイント・アドバイス
同じギターでも、楽曲がギターが主役なのか、ピアノや他の楽器が主役なのかなどによってEQ処理のポイントは変わってきます。
iZotope Neutronの「トラックアシスタント機能」にしてもそうですが、「smart:EQ 2」も全パートに自動的にEQカーブを生成しても、トータルバランスで見ると、なかなか良い結果は生まれません。
自動でEQ処理をしてくれるプラグインに文句を言っている人の多くが、イコライジングの基本がわかっていない場合が多いです。
例えば洋楽を聴いている人ならわかると思いますが、邦楽と洋楽ではボーカルの声質が違いますのでEQポイントも違ってきます。
ボーカルメイン楽曲の場合は、当然ボーカルの帯域と被っているパートの帯域をカットするので、ギターなどのEQポイントも違いますので、洋楽のEQ処理を、そのまま邦楽に当てはめても上手くゆきません。
「Neutron」も「smart:EQ 2」も日本メーカの製品ではありませんので、そのあたりもしっかりと頭に入れておくと良いでしょう。
「smart:EQ 2」に現段階ですべてを任すことはできませんが、自分の目標とするサウンドに到達する手助けとなることは間違いないです。
また、自動的にEQカーブを生成してくれるので初心者のでもミックス向上の近道になります。
コメント